金木犀

冬の金木犀

                  

 冬の金木犀

 

秋、人をふと立ち止まらせる

甘い強い香りを放つ

金色の小さな花々が散って

金色の雪片のように降り積もると

静かな沈黙の日々がはじまる

金木犀は実を結ばない木なのだ

実を結ばぬ木にとって

未来は達成ではない

冬から春 そして夏

光をあつめ影を畳んで

ひたすら緑の充実を生きる

葉の繁り 重なり つややかな

大きな金木犀を見るたびに考える

行為じゃない。生の自由は存在なんだと。

 

☆☆☆☆☆

長田弘の、冬の金木犀

実を結ぶ属性を持たない金木犀。。。

 

何かを達成することが、

生きる意味ではない。

 

。。。。

今のままの自分でもいいのだろう。。。